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どうも、中身は未だに小学生、hkmです。

殆どの日本人が馴染み深いであろう、ランドセル。

子供が小学生になると、誰に言われるまでもなく、当然のように、独特な形状のカバンをこぞって買い求めます。

あの形状、別に義務付けられていないのに、小学生でランドセル以外のカバンを使っている方は稀でしょう。

ただ、あの形状の理由をご存知の方も、そこまでいらっしゃらないのではないか、とも思います。

わからないまま使うのも気持ち悪いので、今回は他に類を見ないあの形状の秘密に迫ります。

っつっても、結局は長いものに巻かれただけなんですけど。

ランドセルの語源はオランダ語

まず、はじまりのランドセルはオランダから伝わりました。

「Ransel」という名で、背負いカバンが伝来したんです。

幕府陸軍に備えたもの、とのことなので、1850~1860年代ですね。

本来の読みとしては、ランセルとラヌセルの中間あたり。

それが度重なる日本語訛りで、ランドセルになったといわれています。

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が、伝来時のランドセルは、現状のランドセルに似て非なるもの。

形状の面影さえありますが、素材は全くの別物でした。

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Ransel – Wikipediaオランダ語(NL版)

更なる強度を求めて革製へ

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さて、オランダからもたらされたランドセル。

これは本来、日本が兵隊制度を導入する際、将兵の携行物を収納するための装備品として伝わったものでした。

過酷な業務を行う、兵隊の愛用するカバン。

求められるものは、様々な状況でも利用できる耐久性。

そのため、素材が布から、吸湿性・通気性・耐熱性に優れる革へと変化していきました。

また、革製となったランドセルは、その利便性から下士官以下の陸軍兵士にも普及していったようです。

あの独特の形状は、軍での仕様に耐えうる携行性を追い求めた結果なんですね。

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偉い人がランドセル背負っちゃった

ランドセルが小学生へと普及するきっかけとなる出来事があったのは、1887年。

かの伊藤博文が、当時皇太子であった大正天皇に、小学校への入学祝として、陸軍将校のランドセルを模したカバンを送ったんです。

当時、「教育の場での平等」との理念から馬車・人力車による登校を禁止されたばかりで、小学生はカバンを背負って登校するようになっていました。

が、当然リュックサックのようなものばかり。

そこに、多大な影響力を持つ皇太子が、今の形のランドセルを背負ってくる。

となると、富裕層がそれに倣ったカバンを作らせるのは当然の流れでしょう。

とはいえ、当時はまだまだ経済的に潤っているともいえず。

殆どの学生は、布製のショルダーバッグや風呂敷などが主流でした。映画でも良く見るやつ。

高度経済成長も後押し

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まさに牛歩、徐々にランドセルは浸透していったものの、あくまで高級品。

一般庶民に長らく手が出ない日々が続きましたが、およそ70年後の1950年あたりに、状況は一変します。

敗戦により、一度は壊滅的な被害を受けた日本も、爆発的な復興により、戦前以上の経済力を得て。

そのままの勢いで、高度な経済成長を続けました。

一般庶民の生活レベルが大きく上昇し、どの家庭にもそれなりの余裕が出てくる。

すると、今度は庶民層が富裕層の真似をして、革製のランドセルを導入するのです。

で、瞬く間にランドセルが普及。

背景を考えると、ランドセルじゃない、というだけでイジられるのは明白なので、子供にランドセルを買い与えるのは半ば義務のようになっていたでしょう。

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ランドセルの歴史は長いものの歴史

以上、ランドセルの語源や歴史でございました。

  1. 皇太子
  2. 富裕層
  3. 一般層

と、まさに「長いものには巻かれる」行為を繰り返した結果、一般家庭に根付いた文化だったんですね。

昨今の「ランドセルをファッションに取り入れる」とかいう外国での流れに違和感を感じていました。

が、結局日本のランドセルも、普及する流れとしては他人からの影響と見栄。

笑ってる日本人の方が滑稽だったっていう。なんとも皮肉な感じ。

あ、ちなみに「ランドセル」は日本独自のものなので、英語表記で「randoseru」らしいです。

Randoseru – Wikipedia

横文字なのに、英語にするとローマ字表記ってとんでもない違和感。