f:id:hkmy:20170509224300j:plain

どうも、ディズニーよりはサンリオ派、hkmです。

 

本日、「かわいい」という言葉についての話になりまして。

ふと思い立ち、言葉の意味から調べてみたら、自分の認識とすこーし違ったのでまとめてみました。

褒め言葉ではなかったらしい

てっきり、「美しい」に似た褒め言葉の部類だと思ってたんです。

愛らしい + あどけない = かわいい

みたいな認識。

 

ただ、どうやら褒め言葉として使われていた言葉ではなく、誤用や皮肉から、転じてそのまま今の意味に落ち着いた経緯があるみたいです。

 

本来の意味は「かわいそう」

っつーのも、元は「不憫で見ていられない」という意味だったらしく、意味としては「かわいそう」に近いんだとか。

 

①深い愛情をもって大切に扱ってやりたい気持ちである。 
②愛らしい魅力をもっている。主に,若い女性や子供・小動物などに対して使う。 
③幼さが感じられてほほえましい。小さく愛らしい。 
④殊勝なところがあって,愛すべきである。
⑤かわいそうだ。いたわしい。ふびんだ。 

可愛いとは – 難読語辞典 Weblio辞書

 

かわいいに、様態を表す助動詞の「そう」が付いた言葉である、かわいそう。

なんで意味が変わるんかな~なんて思っていましたが、変わっていたのは「かわいい」の方だったんですね。

 

いや、ちょっとでも真面目に古文の授業を受けていれば、何をいまさらって話だとは思うんですけど。

 

不憫な相手はいとおしい

さて、「かわいい」における本来の意味が、「不憫」ということになると、この2つには何か共通する感覚があるはず。

それを紐解くには、やはり「いとおしい」という言葉に着目するのが自然かな、と思うのです。

 

というのも、「いとおしい」という言葉にも、「かわいい」と同様に、

・不憫である

・苦痛に感じる

意味があるんですよね。

 

どちらかといえば、自分に対して使う場合に生じる意味ではあるのですが、やはり不憫であるさまを表すんです。

 

①かわいく、大事に思うさま。いとしい。かわいらしい。 
②気の毒だ。かわいそうだ。不便だ。 
③困ったことである。苦痛に感ぜられる。

〔語源は「いたわしい」の母音交替形。一説に、動詞「いとう(厭)」の形容詞化とも。心を痛めるさまを表すのが原義。自己に対しては③ 、他者に対しては① ② の意となる〕

愛おしい(イトオシイ)とは – コトバンク

 

好意がなければ不憫には感じない

かわいいは、不憫である。

いとおしいは、不憫である。

 

これって、パッと見では矛盾しているように見えるんですけど、よくよく考えるとそうでもないんですよね。

 

好意を感じた上で、不利益が襲い掛かっているから、かわいそうだ、不憫だ、という気持ちが生まれる。

そうなると、この気持ちの本質的なところは、同じところにあるんです。

 

……ってところまで書いて、ふと「不憫」について調べたら、かわいい、いとしいという意味もあるそうで。

 

①かわいそうなこと。気の毒なこと。また,そのさま。
②都合の悪いこと。具合の悪いこと。また,そのさま。 
③かわいいこと。いとしいこと。また,そのさま。 

不憫とは – 難読語辞典 Weblio辞書

 

僕が勝手に、言葉の意味を勘違いしていただけでした。日本語って難しい。

 

難しいけど美しい

以上、ふとした拍子に触れた、日本語の難しさについてでした。

 

ポジティブな感情にも、一縷のネガティブが。

ネガティブな感情にも、一縷のポジティブが。

 

一枚岩ではない人間の感情を、上手く捕らえている「かわいい」という言葉。

 

大事なことなので、もう一度言いますけど、やっぱり日本語って難しい。

でも、細かい機微が表現されていて、やっぱり日本語って美しい。

 

や、美しいから難しいのかな~って気もすっけどね。